この確定拠出年金制度を導入するにあたって、それがどのような組織によって運営されているのか、
その組織を構成している各機関の役割を具体的に見てみましょう。
❶コンサルティング会社
企業が確定拠出年金制度を導入する場合には、当社のようなコンサルティング会社やアドバイザーによる制度の説明や導入までのコンサルティング、及び導入してからの投資教育や資産運用のアドバイスなどが必要となってきます。また、日々の運用商品の情報提供やその他の相談業務にも対応しています。
❷代表事業主
代表事業主の下で、制度導入の際に必要な “規約” の完備・作成を行い、その申請を関係官庁に届出を致します。また、導入した制度を具体的に運営していく上で、加入者と金融機関とを結びつけるシステムを開発・保有しており、その提供と管理を行っています。
❸運営管理機関
運営管理機関は、確定拠出年金制度を運営する機関のひとつで、総合的な制度運営の管理監督業務をしています。また、運用商品のラインナップを決定し、その運用商品の情報提供や元本確保型の商品を含めたリスクとリターン特性の異なる 3つ以上の運用商品の選定をする役割があります
❹記録管理機関
記録管理機関は、制度加入者の残高を信託銀行と連絡を取りながら記録・保存し、また運用商品の売買指図を取りまとめ、信託銀行に運用の指図を行っています。
❺資産管理機関
資産管理機関は、年金資金の管理を行います。制度加入者の個人別管理資産は分別管理され、他の資産とは分離され運用します。ですから、運営管理機関や資産管理機関が経営破たんしたとしても、制度加入者の年金資金は分別管理され保全されるようになっています。
これらのことからも判るように、制度加入者の個人年金資産を随時、自分でも確認することができるのと同時に、それぞれの役割を持った幾つかの機関によっても管理されているため、過日に起きた2,000億円の企業年金が喪失したというAIJ事件のようなことは一切起こり得ないということがお判り頂けるでしょう。